長野で叶える“自分サイズ”の暮らしとは?
村上かおりさん。仕事も趣味も丁度いいバランスで過ごせる日々を送っている
2011年、村上かおりさんは夫と2歳の娘さんとともに、都内から東御市へ移住しました。現在はデザイナーとして活躍しながら、こちらに来てから始めた山登りを新たな趣味として日々の生活を楽しんでいます。ご主人と2人の娘さん、そして4羽のニワトリと家族も増えてにぎやかな毎日を送っています。
移住のきっかけは、東日本大震災
東京都板橋区育ち。結婚後も実家からひと駅、通勤も電車一本で30〜40分という便利な生活を送っていた村上さん。印刷会社で伝統工芸関連の書籍の制作に携わっていました。
育休明けで職場復帰の直前に、東日本大震災が発生したそうです。「仕事が忙しすぎるわけでもなく、子育ても保育園や私の両親の助けもあり、都会暮らしに不満はありませんでした。ただ、地震の多さや原発への不安を感じるようになりました」
そんな時、ふと夫婦で思い出したのが、東御市にある母の実家。
「そういえば家、あるよね。田舎暮らしもいいかもねと、案外軽い気持ちで移住を決めました。幼いころ祖父母の家に遊びに来ていたので、私の中では良いイメージもありましたし。ただ、主人は大阪出身で長野に縁もゆかりもなくて・・・(笑)」
仕事も暮らし方も“ちょうどいい”
移住後まず取り組んだのは、車の免許取得。両親の助けはありませんが、待機児童がいないため保育園にはすんなり入れたといいます。
免許取得後は近くでパートを始めましたが、第二子の妊娠をきっかけに、自宅でできる仕事をと、デザインの仕事を再開しました。
仕事はHPの作成やリーフレット、パンフレットなど多彩
「当時はブログがはやっていたこともあり、その繋がりや紹介で個人や小規模事業者から依頼がくるようになりました。商工会議所に所属したことも知ってもらうきっかけになりました。
仕事は地元だけでなく、他県や海外のお客さんも多いです。紙媒体やWEB、車用マグネット、看板、のぼりなどの販促品と幅も広がりました。時には忙しい時もありますが、無理のないペースで取り組めています。また、地元の交通課題解決を目指す取り組みとして、地域の仲間が立ち上げた「合同会社まるごと」で広報という形でお手伝いをしています。自治体とも協力しながら免許を返納した高齢の方の外出や、小中学生の習い事の送迎など、地域の移動をサポートすることに少しずつ取り組んでいます。交通課題を解決することから、地元が活性化したり、将来この地域がもっと暮らしやすくなればいいとも考えるようになりました」
家は古いながらも広さは十分。庭でキャンプや焚火を楽しむなど、やりたいことをやりながらのびのびとした暮らしが気に入っているそうです。
ニワトリを飼い、山登りで心が満たされる
引っ越し後数年経ってから、念願だったニワトリを飼い始めた村上さん。「なぜか飼いたかったんですよね。卵も産んでくれるし(笑)。花ではなく、ハーブを育てるような感覚ですね」
外にあった古いトイレを、DIY好きなご主人がニワトリ小屋にリメイク。子どもたちのお弁当には毎日自家製の卵が入ります。時には庭や畑を散歩して草やミミズも食べるそう。村上さん自身も虫が平気になったとか。
さらに、2020年から始めた山登りは、今では月2回の楽しみに。
「散歩の延長で、景色の良い場所にたくさん出合いました。特に白駒池の美しさには感動でした。登山靴があればこの先に行けるという看板を目にして、登山靴を購入。友人に烏帽子岳へ連れて行ってもらったら案外歩けて(笑)。以来、山登りが新しい趣味となりました。苔を見つけては写真を撮ったり、友人とおしゃべりしながら登ったり。山に行くと精神的に満たされ、今では余計な欲がなくなりました」
「やりたいことが見つかったら始めてみる。そうしているうちに、今の生活スタイルになりました。振り返ると、やりたいこと全部やってますね」と笑顔の村上さん。
「楽しんでいる親を見せることが、子どもにとってもいいことかもしれませんね」東御市での暮らしは、便利さや効率だけでは測れない豊かさに満ちているようです。













