本業×副業で“好き”を仕事に――長野で見つけた“自分らしい働き方”

本宮雅章さん33才。“ダイエット最後の請負人”は副業のパーソナルトレーナーのキャッチフレーズ
本宮雅章さんは、ご自身のつらい体験をきっかけに筋トレを始め、好きが高じて現在は副業でパーソナルトレーナーとしても活躍しています。平日は大手住宅設備メーカーの営業として働き、週末は出張パーソナルトレーナーとして忙しくも充実の毎日。現在は仕事の関係で単身赴任中。奥様、娘さん二人の4人家族です。
結婚がきっかけでマイナス30キロのダイエット
幼いころから太っていて、コンプレックスを抱えていた本宮さん。結婚を機に本気のダイエットに取り組み、マイナス30キロを実現しました。しかし、その代償としてヘルニアを発症。つらい手術も経験しました。その後、足腰を鍛えるために始めたのが筋トレでした。
「筋トレを続けるうちに、一人で黙々とやるトレーニングが自分に合っていると気付きました。筋肉がつきやすい体質だったのも幸いでした。そんなとき、オンラインでパーソナルトレーナーを募集しているのを見つけ、軽い気持ちで応募したら“素質がある”と言われたのです。嬉しさもあって、トレーナーを目指そうと決めました。会社も副業を認めていたので、迷いはありませんでした」
仕事と副業の両立
自己流のダイエットでつらい思いをした経験から、「正しい知識を持って指導したい」と資格取得に向けて猛勉強を開始。NASM認定パーソナルトレーナー、JASストレッチングトレーナー、食育栄養コンサルタントなど、わずか半年で8つの資格を取得。そして、2024年7月にはAsuemi公認のパーソナルトレーナーとしてデビューしました。
平日は営業として得意先の商社を回ります。ルート営業なので新規開拓は基本的にありませんが、いかに信頼してもらえるかが腕の見せどころ。各担当者の個性を把握し、自社製品をより多く扱ってもらえるよう日々工夫を重ねています。
「入社当初は正直つらかったです。でも、カタログなどで勉強を重ねるうちに知識がつき、自信も生まれて仕事が楽しくて仕方なくなりました。
パーソナルトレーナーとしての活動は、平日の20時から1時間と週末の主に土曜日です。そのため平日の仕事は18時までと決め、効率よく働いています。自分の筋トレはトレーナーの仕事が終わった21時から1時間。これも質を意識しています」
出張パーソナルトレーナーとして県内全域を対象に活動し、現在は20人の会員を指導していますが、デビュー当初の半年間は会員ゼロ。「めげそうになる自分を奮い立たせ、ジムに依頼してイベントを開催したりSNSで情報発信を続けることで少しずつ信頼を得てきました」
また、本宮さんは現役のボディコンテスト選手です。大会前には日焼けで肌が黒くなることもあり、得意先から理由を聞かれることも。副業は本業の話題づくりにもつながっています。

自身の筋トレは内容を濃く
2週間に一度、全力で“パパ”になる
本業と副業に忙しい本宮さん。家庭とのワークライフバランスはどのように保っているのでしょうか。現在は転勤先の松本市で単身生活を送り、ご家族はお子さんの学校の関係で長野市で暮らしています。
「妻と相談し、2週間に一度、妻の都合に合わせて週末に長野に帰ります。そのときは私が子どもの面倒をみて、妻には自由な時間を過ごしてもらいます。次女が小さいころは家で留守番でした。妻が用意した離乳食やミルクで食事を作ったりしていましたね。今は大きくなったので、公園に行ったり、ショッピングセンターでウインドウショッピングやキッズコーナーで遊んだり。お姉ちゃんも下の子を見てくれるので助かっています。
毎日一緒にいるわけではないので、子どもとの時間は全力で遊ぶようにしています。疲れてだらだらしている姿を見せるより、好きなことで頑張るイキイキした父親の姿を見せることが私は大事だと思っています」
ご夫婦とも、空いた時間に副業やパートで働いています。収入については話し合いのうえ、それぞれのお小遣いとし、お互いの“やりたいこと”を認め合っているそうです。
本業があってこその副業

目指しているのは人生がちょっと前向きになるサポート
「副業は本業のリスキリングという見方もあるかもしれませんが、今、私が好きなことを副業としてできているのは本業があってこそです。本業を大切に、そして全力で頑張りながら副業を極め、自分を高めていきたいですね。
若いころ、“自分にも何かチャンスがあるのでは”と考えた人もいると思います。私は実現できてもできなくても、そのわずかな可能性を信じることがとても大事だと思っています。副業はそのひとつのきっかけで、夢を叶える一つのキャリアと言えるのではないでしょうか」
様々な働き方がある今、“好きなこと”を本業として極めるのも一つの道。そして会社が認めていれば、本宮さんのように副業として確立することも、またひとつの働き方と言えそうです。









