ライフデザインコラム

子どもの将来に向けて -教育とお金のことを、ちゃんと考えよう-

ファイナンシャルプランナー 土屋孝史さん

「子どもには、できるだけ多くの経験をさせてあげたい」
子育てをしていると、誰もが一度はそう考えるのではないでしょうか。
習い事、塾、部活動。成長とともに選択肢が増える一方で、ふと立ち止まったときに頭をよぎるのが「このままで、将来のお金は大丈夫だろうか?」という不安です。
今回は、これまで300件以上のご家庭のお金の悩みを一緒に解決してきたFPパートナーである土屋さんに、ご家庭で教育資金についてどのように考えて、将来に向けての準備をしていくのがいいかのアドバイスをいただきました。

 

大学進学までのお金、どう考えればいい?
子どもが大学まで進学することを考えている場合、どれくらいのお金を貯めておくのがいいのかと考えますよね。土屋さんのところにもそういった方が多く相談にいらっしゃるようで、「皆さん“いくら貯めればいいですか?”と聞かれるんですが、実はその前に大事なことがあるんです。それは“どんな将来を思い描いているか”を言葉にすること
子どもの人数、進学のイメージ、住宅や働き方。完璧でなくても構いません。なんとなく、こんな感じというイメージを共有するだけで、お金の考え方は整理しやすくなります。」
そして、そんな方には毎回土屋さんはこう伝えるそうです。
「貯金がまだできていなくても、焦らなくて大丈夫ですよ。目的が見えれば、そこから逆算して貯金を作っていくことができるようになりますから」
こんな言葉を貰えたら、ちょっと気持ちが楽になりますよね。そして、実際に教育資金を作っていくにあたって、よく出てくる問題点についても聞いてみました。

問題①:気づかないうちに膨らむ、習い事の費用

最近、土屋さんが特に感じているのが、習い事費用の高騰です。
「子どもにやらせてあげたい、という気持ちが強い分、習い事って本当に削りにくいんですよね」
実際に、複数の習い事を掛け持ちし、月に10万円以上かかっている家庭も珍しくありません。さらに、月謝だけでなく、遠征費や道具代、送迎の交通費など、“見えにくい出費”が家計を圧迫していきます。
土屋さんは、こんな線引きをすすめています。
「大学進学に向けたお金は“貯める”。小・中・高校までの教育費は“生活費の範囲で考える”。ここを分けないと、どこまでも膨らんでしまいます」

問題②:お金の話が、夫婦関係をこじらせることも
もう一つ多い相談が、夫婦間のお金の価値観のズレです。
「お互いに“相手がちゃんと貯めているだろう”と思っていた、というケースは本当に多いですね。」
いざ家計を見直そうとしたとき、現実を知って喧嘩になってしまうことも。お金の話は感情が入りやすく、当事者同士では冷静に話し合うのが難しいテーマですよね。
そこで土屋さんがすすめるのが、FPという第三者を間に入れること
「FPは“貯めさせる人”ではありません。ご家族が無理なく、安心して暮らせるバランスを一緒に考える存在なんです。」
実際に、家計を可視化したことで「思ったより使っていた」と気づき、自然と意識が変わったご家庭も多いそうです。たしかに、冷静に状況を判断してくれる人がいれば安心ですよね。他のご家庭での事例なども沢山お持ちなので、いざってときの相談役にもなってもらえるのは心強いですね。

 

教育資金作りは、投資と貯蓄のバランスを取る

「子どもの将来を考えることは、決して重たい話ではありません。今感じている不安は、ちゃんと子どもの将来に向き合おうとしている証拠です。
大切なのは“早い段階で、子どもの習い事への投資と子どもの将来の為の貯蓄のバランスを取ること”。その為の、収入をもとにした、バランスの取れたお金の分配を早くから始めることで、教育資金は必ず作れます。」
そんな力強く言ってもらえたら安心して相談できますね。専門家へアドバイスを求めるということ。その一歩は子どもの選択肢を守り、家族みんなが安心して前を向くための、やさしい一歩なのかもしれません。