ライフデザインコラム

自分と家族のペースを大切に――在宅ワークで学び直しの時間も確保

今年度から、公立中学校で講師として働き始めた長澤美江さんは、現在小学6年生・4年生になる2人のお子さんを育てています。学生時代に取り切れなかった教員免許に必要な単位を取得するために、昨年度まで大学に2年間通学。新たなキャリアを築くための学び直し、そして趣味も楽しむ生き方を実現したのが「在宅ワーク」という働き方でした。子どもたちの成長と共に新たな一歩を進み始めた、長澤さんのライフデザインを聞きました。

 

子育てと並行して学び直し、教員免許を取得

長澤さんは現在、英語の先生として中学1年生を教えています。高校から大学生の頃にはカナダやアメリカへの短期留学に挑戦するなど、もともと海外に興味がありました。結婚前には市内の一般企業で働いていましたが、フルタイムでの仕事はそれ以来です。

「久しぶりにフルタイムで働けてうれしいです。長男と年齢が近いので、中学生が好きなものの傾向は大体わかりますし、生徒たちは私が話すことに対して素直な反応を返してくれるので楽しいです」

学生時代、子どもに関わる仕事をしたいという気持ちがあって教員免許の取得を目指しましたが、一般企業で働く経験も積もうと考え、就職活動も並行して行いました。当時は就職氷河期で、就活は難航しスケジュール調整が難しくなり、必要な単位を2、3単位取り残したまま卒業を迎えたそうです。

卒業後から結婚前までは転職も挟みつつ、長野市内の企業で勤務していましたが、残業が長時間だったため結婚を機に退職。しばらくは公共機関などでパート勤めをしていましたが、長男と長女が生まれて子育てに専念していた頃、テレビのニュースで「在宅ワーク」という働き方を知りました。当時はコロナ禍前で、在宅ワークがまだ一般的ではなく、長澤さんは「こういう働き方があるのならしてみたい」と、子どもの一時預かりを利用しながら在宅ワークに関する研修を受け、データ入力やテープ起こしなど、自宅でできる仕事を紹介してもらうようになりました。

「子育ても家事もほぼワンオペだったので、どうしたら働けるだろうかと考えていた時に、在宅ワークを知ることができました。娘が定期的に病院に通院していたこともありましたし、幼稚園の行事も平日に多かったため、在宅ワークは仕事を調整しやすくて大変助かりました」

 

フルタイムで働き始めて夫にも変化が。「見てないようで見てくれている」

自身の子育てをする中で、子どもと関わる教員の仕事への思いを膨らませた長澤さん。子どもたちが小学校に入学し、「今なら勉強できる」と、一昨年、教員免許に不足していた単位を取るために再び大学に行き始めました。在宅ワークの仕事と両立し、スムーズに単位を取ることができました。

中学校では陸上部の副顧問を務めているので、休日に出勤するときもありますが、長男が取り組んでいるスポーツの送迎などもあるため、部活動にはできる範囲で関わっているそうです。以前はあまり子育てに関わって来なかった夫が、長男の送迎を率先して引き受けたり、長女の夏休みの宿題を見たりと、変化がみられるようになりました。

「お互いに言葉に出すわけではないのですが、仕事が忙しいながらに私を気遣ってくれて、できることをしてくれているんだなと感じます」

在宅ワークは時間調整しやすく、早く仕事を終わらせてフラダンスのレッスンに通うようになりました

 

家族にとっても無理のない形で暮らしと仕事を両立できているという長澤さん。目下の目標は、教員の正規採用を目指してのステップアップです。そして、3年ほど前に在宅ワークの合間に習い始めた、趣味のフラダンスも楽しみつつ、「子どもたちが中学生になって自分の時間が増えたら、次はウクレレもやってみたい」と思い描いています。

フラダンス仲間とステージで踊る長澤さん(一番左)