若いうちから考えておきたい 人生の節目に必要な「お金のこと」

舟越さんは奥様・4歳長女・2歳長男の4家族 “安曇野『学び合い』の会”の主宰者でもある
小学校教諭の舟越さんは、2人目のお子さんの出産に備えて育休を取りました。慣れない子育てにも余裕ができた頃、その合間を利用してファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格を取得しました。実生活に即した内容は、その後の生活の安心感につながったそうです。若いうちにライフプランについて考えるメリットやアドバイスをお聞きしました。
結婚・出産・マイホームの購入━━ 立て続けの出費に芽生えた不安感
結婚して第一子の妊娠がわかり、アパート住まいからマイホームの購入を考え始めた舟越さん。お子さんの出産を機に家族3人、念願のマイホームでの生活をスタートさせました。「当時は金銭的なことを考える間もなく、立て続けに出費が続きました」と舟越さん。
第二子の妊娠がわかった時、当時、中学校教諭だった舟越さんは7月から翌年3月までの9か月間、育休を取りました。職場環境的にも取得しやすく、校長先生も快く送り出してくれたそうです。
「いざ娘と向き合うと、イヤイヤ期真っ只中。育休を取るまで大半を妻と過ごしていたため、事あるごとに『かっかー』と泣いてしまい、どう関わればいいのか悩むこともありました。2~3か月経った頃には、妻がいなくても落ち着いて過ごせるようになり、私にも少し余裕ができました。妻も子育てでいろいろ悩んでいたようで、一緒に過ごすことで共に考え協力し合えたことは本当に良かったと思います。そんなある日、ふと、二人の子育てに掛かる費用、この先続くローン返済や自分たちの老後について不安がよぎったのです。今後のライフプランについて妻とも相談し、自身の勉強にもなると思いFPの資格を目指すことにしました。」

自分が取り掛かりやすそうな専門書を購入
資格取得がもたらしてくれたもの
子育てにも少し慣れた10月、舟越さんは、早速専門書を購入します。それまで見ていたYouTubeの動画も参考にしながら勉強を始めました。奥様も応援してくれ、お昼寝の寝かしつけが終わった後などに、近所の図書館へよく出かけたそうです。目指すは初級のFP3級。受験は年末の12月と決めました。
「勉強を始めると、実生活に密着していて楽しく学ぶことができました。新しく得る知識が面白かったですね。例えば、不動産なら家を建てた時のことを思い出しながら、税金は確定申告、保険など生活していくうえで必要なことでした。育休当時は中学校で社会を教えていたので、子どもたちに教えられる部分もあると感じました。結果は無事合格。取得したことで生活が大きく変わったわけではありませんが、ローン返済、子育て費用、老後資金の目安ができ不安がなくなりました。勉強をしていなかったら、今頃ずっと不安でいたと思います。」
将来を見据えて長い目で見る資産運用も一つの方法

子育ての合間を見て専門書とYouTubeで勉強
独身時代はお金のことについて何も考えずに生活していたという舟越さん。結婚後は、カードとの連携で家計管理ができるアプリに登録。おおよその管理をしながら使い過ぎに気を付けたり、余裕があるときは旅行にも出かけたそうです。また、奥様と相談の上、資産運用も始めました。
「資産運用と聞くと怖いと思う方もいるかと思いますが、NISAや投資信託など勉強して、将来のために少額から始めてみるのも一つの方法だと思います。元本割れというリスクはありますが、長期的に成長していく部分もあるので長い目で見ることが大切だと思っています。私は子どもの教育費に充てようとジュニアNISAを利用しました。あとは、うまい話には乗らないことも大切です。」
ライフプランや投資に対する考え方は人それぞれです。ただ、日々の生活の中で少し立ち止まり、若いうちに自分の将来について考えてみるのも、慌てずに済むための一つの方法と言えそうです。
ライフワークとしての“安曇野『学び合い』の会”のこと
舟越さんが教員であることは前述の通りですが、育休明けは小学校教諭として児童と向き合う毎日。経験も技術も乏しかった新任時代は悩んだこともあったそうです。そんな時、先輩の先生が教えてくれたのが『学び合い』でした。“一人も見捨てない”という理念のもと、子どもがお互いに疑問を出し合ったり助け合ったりしながら自発的に学習していく教育の考え方です。
「大学院で学び直し、今は『学び合い』の考え方で授業や学級経営に取り組んでいます。“安曇野『学び合い』の会”は2018年、賛同してくれる先生と二人でスタートしました。今は教育に関心のある地域の方々も参加し、十数人で2~3か月に1回のペースで会を開いています。」









