ライフデザインコラム

信州でキャリアとプライベート、どちらも自分らしさを大切にする生き方

 

株式会社さんろくご 代表取締役 高山未央さん 松本市在住

自由度が高く様々な挑戦ができる職場に15年以上在籍した高山さん。持ち前の上昇志向で、サラリーマン時代は20代で拠点長を務めたほどです。30歳で初の育休に入りますが、この期間がその後の新たな生き方を方向付けることに。2児の母であり社長であり、任意団体を主宰する高山さんにお話しを伺いました。

 

初めての育休で気付いた社会とのつながり。そして立ち上げたイベント「ママフェスまつもと」

サラリーマン時代はブライダル事業に没頭し、若くして結婚しましたが20代は縦に伸びるキャリアを追いかけました。宿泊を伴う出張、寝る間も惜しんで書いた企画書、単身赴任など、揉まれながらも順調にキャリアステップを踏むことができました。

そんな私も30歳で節目が訪れ、育休をとることに。産んでみると子育ての面白さもさることながら、母親業の凄さや大変さに直面しました。そんな中、初めて役所や子連れで行けるカフェなどに行くうちに、子どもを通して今まで見えていなかった社会との繋がりやその面白さに気付いたのです。

子連れで行く場所は限られていました。観光客には人気の松本ですが、市民との満足度の差を感じましたね。市内に子どもと安心して過ごせる場を増やしたい、子どもにとっても好きな場所・誇れる街にしたい、この街が好きだと思える人を増やしたい──そんな想いをカタチにしたのが「ママフェスまつもと」です。子育て中のママの視点から地域の課題に向き合い、居場所や賑わいを目指す活動です。

育休中に始めた活動も今年で9年目を迎え、今や私のライフワークになりました。幼子を抱えながらの成功体験は自信に繋がり、起業のきっかけにもなりました。

大勢の参加者で賑わいを見せる「ママフェスまつもと」が主催したおさんぽフェス2025のメイン会場

 

産休・育休を次の活躍の準備期間に!自らの経験から“働く”と“暮らす”の両立を支援する会社を起業し、サロン事業を展開

育休中の経験は視野を広げ、復帰後の働き方の効率化や提案力アップにも繋がりました。第二子出産以降はこれまでの仕事に決着をつけ起業の準備期間として、家族の理解と応援を得て北海道への単身赴任も果たしました。そして2024年、育休コミュニティサロン「晴ればれ」を設立したのです。

「晴ればれ」は産休・育休者向けのキャリア支援事業です。サロン参加者には同じ地域・同じ境遇の“育児同期”として、“働く”と“暮らす”のヒントになる研修を行っています。託児とランチ付きで、全国で活躍する専門講師による講座になっています。一方、企業に対しては制度利用のコンサルティングのほか人事担当に代わって育休者面談を行います。

報告書をまとめたり企画を考えたり。時には講師としても活躍中

設立間もない会社ですが、クライアントからは「面談の報告書から自社制度の課題が明確化した。」「育休に対する社内意識が変わり職場環境が整理できた。」などの評価を、サロン参加者からは、「会社には相談しにくい悩みが解消した。」「育休期間を成長の場にできた。」「育休同期ができた。」などの声を頂いています。
もうひとつ、「SANAnail」はママネイリストが活躍する土日祝日がお休みのサロンです。高い技術と丁寧な接客が好評です。

今後の展開としては、「晴ればれ」で出会ったママ達の活動の場がママフェスや地域活動に繋がる仕掛けや、転職者・移住者の要望に応える事業の準備をしているところです。毎日忙しくしていますが、イキイキと仕事を楽しむ姿を子ども達に見せたいし、仕事を通して得る私の成長は家族に還元できていると思っています。

もちろん、リフレッシュもしています。20時までには主人が子どもを寝かしつけてくれるので、それ以降は私の自由な時間です。仕事もしますが、レイトショーや友人とのお茶も楽しみますし、週末は友人とのキャンプで非日常を味わっています。