固定費の見直しと「投資意識」が未来を変える——お金のオーナーになるための処方箋

ファイナンシャルプランナー 関 麗子さん
「物価は上がるけれど、お給料はなかなか上がらない」。そんな閉塞感の中で、日々のやりくりに頭を抱えている方は少なくないでしょう。しかし、厳しい環境の中でも、知恵を絞り、仕組みを理解することで「支出の最適化」と「未来への備え」を両立させることは可能です。
今回は、言葉がわからないまま日本にやってきて、家族全員のリストラ経験などを持ち、壮絶な経験を糧にファイナンシャルプランナーとして活躍されている関麗子さんに、私たちが今すぐ実践すべき「家計の見直しと投資への意識改革」についてアドバイスをいただきました。
「なんとなく」の固定費にメスを入れる

まず着手すべきは、毎月決まって出ていく「固定費」の見直しです。特に「保険」と「通信費」は多くのご家庭にとって、大きな改善の余地があると関さんは言います。
日本の世帯の多くは月々数万円もの保険料を支払っているという方も多いですが、その内容を完璧に理解している人は驚くほど少ないのが現状です。関さん自身、かつてお父様を亡くした際、多額の保険料を払っていたにもかかわらず、受け取れたのはわずか50万円だったという苦い経験があったそうです。「保険は人生における資産の一部です。『勧められたから』ではなく、自分の人生に本当に必要なものかを見極めること。今の時代、死亡保障は安くなっていますし、古いプランを最新のものに見直すだけで、保障内容を下げずにコストを抑えることも可能です。」
また、通信費も「革命時代」にあると言います。ある5人家族のケースでは、通信契約プランを見直しただけで月に4万円も浮いた例があるそうです。この「浮いた4万円」をそのまま消費に回すのではなく、将来の備えや投資に充てることこそが、家計最適化の第一歩となります。
「削るべきもの」と「守るべきもの」を分ける
支出を抑えようとすると、真っ先に教育費や学資保険を削ろうとする方がいます。しかし、関さんはここに警鐘を鳴らします。「目先のお金が苦しいからと、10数年後に必ずやってくる教育資金を削ってしまうと、その時になって自分がもっと苦しむことになります。実際、そのような方を多く見てきました。」
関さん自身、かつて家族全員が同時にリストラされ、3つの仕事を掛け持ちしながら3人の子供を育てた経験があります。そのどん底の時期でも、学資保険だけはやめなかったそうです。結果として、それが子供たちの大学入学時に「自分へのご褒美」のように助けとなりました。自分では気づかない「無駄」を省き、将来的に本当に必要な支出をしっかりと捉えておくことは、将来少しでも思い通りの人生設計に近づけていくにはうってつけかもしれません。
「貯める」から「増やす」へ——お金のオーナーになる
日本と欧米の大きな違いは、マネーリテラシー、特に「投資意識」にあります。欧米では「リタイアするためにどうお金を増やすか」を社会人1日目から考えますが、日本では「無駄遣いせずに貯めなさい」という教育に留まりがちです。
「お金に使われるのではなく、お金のオーナーになりましょう。」これは多くの場面で言われるフレーズですが、関さんも同じ意見をよく自身の顧客に伝えるそうです。 「自分の肉体労働だけで稼ぐには限界があります。お金に働いてもらう(投資する)という意識を持つこと。たとえ月3,000円~5,000円でも、時間を味方につけて運用を始めることが、社会保障が手薄になる将来への自己防衛になります。投資は怖いと感じる方もいるかもしれません。しかし、毎日何時間も働いて得る給料に対し、わずか数時間の勉強や見直しで将来的に数百万もの差が出るのであれば、その数時間は最も時給の高い労働と言えるのではないでしょうか。」
自分と家族のために、自分時間で投資について学ぶこと

環境が厳しくなると、人間は急に動き出すといった怠け癖は誰しもが持ち合わせていますよね。「お金が足らない」と急に嘆く前に、自分のお金をどこに配置し、どう働いてもらうか。少しずつでも勉強してみるのもいいかもしれません。その「将来に対しての時間の投資」が、10年後、20年後のあなたと家族を守る確かな盾になるはずです。









